CTEPH AC RegistryについてSUMMARY

研究の背景

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は肺動脈内に器質化血栓が形成され肺血流が障害される疾患(国内患者3000人の希少疾患)である。

CTEPHに対する治療法として、肺動脈内での血栓の形成・増大を防ぐ抗凝固療法、肺血管を拡張するリオシグアト、肺動脈内の器質化血栓を摘出する肺動脈血栓内膜摘除術(PEA)、肺動脈の狭窄・閉塞部位をバルーンカテーテルで拡張し血流を改善する経皮的バルーン肺動脈形成術(BPA)が国内の主要なガイドラインで推奨されている(Class I)が、希少疾患であるが故にそのエビデンスレベルは低く、強固な根拠にもとづいて設定されているわけではないのが現状である。CTEPHは希少疾患であるため、大規模な比較対照試験の実施は困難であり、リアルワールドデータを最大限活用してCTEPH治療の有効性・安全性に関するエビデンスを創出する。

目的・ねらい

本研究の目的はCTEPHに関する全国規模のレジストリを構築して治療法に係るエビデンスを創出することである。

国際的に見た研究の立ち位置

CTEPH診療は日本が世界をリードしており、オールジャパンのCTEPHレジストリは世界でも類を見ない最先端の治療が含まれる貴重なリアルワールドデータとなる。

期待される成果・将来展望

全国規模のCTEPHレジストリから創出される強固なエビデンスにより、CTEPHの治療・診療が最適化され、強固なエビデンスにもとづく安心・安全で質の高い診療を患者さんに提供できるようになると期待される。